2025/04/24 16:05
今までご愛好頂きました皆様のお陰様ではありますが、シルクスクリーンという技法を初めてから10年が経ちました。その自分なりの経験を一つの形として残したいと思い、今回シルクスクリーンをハンドペイントするという自分とっての新たな技法に辿りつきました。
量産する為に生まれた版画という手法に特別なペイントを施すことは、アートの業界でもよくあり、それは版を用いながらも紛れも無い1点ものの証拠として価値を高めてきました。
そのスペシャルな版画をアートとしてだけではなく、元アパレル的な発想により‘’1点もののアートを着る‘’というコンセプトがごく自然なカタチで浮かんできました。
それが今回スタートしました『1OVER1』シリーズです。

「1OVER1」とは1分の1のことであり、スクリーンの版を用いながらもハンドペイントを施した1点ものという意味になります。
このハンドペイントは本当に思い通りいかないというか、スクリーンの下にあるその作品は、ペイントの過程で色の混ざり具合など状態を確認することができません。
意図的な構想で創り出すことが非常に難しく、偶然を味方に付けた時に、その美しさが解放されます。
今回、リリースしたロングスリーブは何点も作成した内のお気に入りです。

今回の作品制作を通して気付いたことがあります。今の自分が求めているアートは自分の意識とは別の部分に宿る美に興味があるのだと。この気付きをこれからの表現に活かしていきたいと思っています。